2080 サイヨウシャジン かわり芽
二つは仲間なのに、片一方は○○シャジン、もう一方は△△ニンジンと違う名前が使われています。ありがちな事ですが、ややこしいことするなっ!
ニンジンは人参、シャジンは沙参。ともに漢名です。昔の日本人も舶来に弱く(中国の本草=薬草学)、舶来の方がかっこいいと思ったのか、日本の植物にもやたらと漢名をつけています。
ツリガネニンジンは釣り鐘型の花をした根が人参ということで了解。
が、サイヨウシャジンについては長年悩んでいました (-_-)゜zzz・・・サイヨウシャジンの シャジン は沙参で問題解決。サイヨウ?それ何じゃ?細葉? この植物無理を10階建てから眺めても、細い葉でなし。それに、細い葉の植物は 「ホソバ」 と呼ぶのがお約束です。から、細腰にしとこ。しかし、腰??? 釣り鐘型の花の腰が細いから? で、鐘の腰はどこどこ?
と自然探検家の初級の頃は悩んでいました。武田久吉の『民族と植物』 を読んでいたら、その本の中の昭和17年に書かれた 「野菜と山菜」 のところに、『・・・・しゃじんと名がつくものはいろいろある。ただし中国で細葉沙参と名づけるのは ひなぎきょうである』 武田久吉は英国の大学にも留学し、帰国してか各地の大学で講義もし、日本山岳会や植物学の学会の設立に貢献した、その道のパイオアニアで信頼できる人。ということで ええ~っ ひなぎきょう、お前が細葉沙参だったんか!サイヨウシャジンは間違って細葉沙参と呼ばれていたんか! どうりで葉が細くないはず。
ということでサイヨウシャジンの名前の由来は判明しました。詳しくは「1415 ヒナギキョウ お前だったか」をご覧下さい。
しかし、サイヨウシャジンは不思議な植物。葉の形や大きさはいろいろあって、葉を見ていると、同じ種類とは思えない個性的な葉をしています。 この写真の左の柳の葉のような葉の個体もサイヨウシャジン。
そのサイヨウシャジンが成長していく頃、葉を見ていると、葉の上に不思議な 花のような物がついています。一見花にそっくりで おそらく 虫コブのように葉の変形したもの。その仕組みはウイルスの感染のためか?と思いますが定かではありません。が、この不思議な形は「かわり芽」と呼ばれています。ということで、終わります。
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