1853 安蔵寺山のナラ太郎
島根県で一番高い山 安蔵寺山(あぞうじさん 1263m)に行ってきました。 安蔵寺山や長野山、寂地山、臥竜山は 標高が1000m以上あり、ブナ林がある山としても有名で、登山でも賑っている山です。
この辺りはまとめて 西中国山地 と呼ばれている 比較的自然が残っている地帯。推計では450頭のツキノワグマが棲んでいます。うろうろしていても落ち着きません。 特に 100%過疎地の安蔵寺山辺りにはクマが多く、麓の交流館ではクマが出迎えてくれました。
登山道で山頂まで5キロ以上ありますが、標高1000m近くまで立派な林道があり。 登山道のほぼ中間にある 「ナラ太郎」 へは林道に車を停めて約5分です。森羅万象向きのいい山です。
これが「ナラ太郎」と呼ばれている、大きなミズナラです。考えてみたら ここへ来るのは10年振りくらいですが、ナラ太郎は 変わることなく健やかにスックリ立っていました。
ナラ太郎の直径は約1.4mで高さは約20m。ミズナラの本場、北海道や東北地方では 数のうちにも入れてもらえない大きさかもしれませんが、害虫や台風が多い こちら地方ではこれくらいが限界かもしれません。
根本にビニ-ルの覆いがしてありましたが、キクイムシ防除の薬品注入中とのことでした。
木が大きくなると幹や枝が奇っ怪な形になりがちですが、ナラ太郎のいいとこは、この健やかでスッキリ空に伸びている形です。
ナラ太郎がある山頂まで続く、尾根の両側は ミズナラ、カエデなどが混じったブナ林になっていますが、ブナはそれほど多くなく、また、やや小ぶりなで。
「ブナ林だなぁ」 の 大きくくて ブナがいっぱいあるのは やっぱり臥竜山 が一番です。 安蔵寺山は雪が多いところですが、雪の重みで曲がった木は少なく、そこらはちょっと不思議。
天然の杉がたくさん生えています。最近は評判が悪いスギですが、元々はブナが生えるような雲霧帯のあった樹木。ここらのスギは枝が水平かやや垂れ下がってタイプで、日本海側の雪地帯のスギ、芦生スギと呼ばれ、地面に接した枝から新しいスギが育つこともあります。
ここに来たのは8月最後の週で、気温24度。33度の下界に比べ相当涼しかった阿蔵寺山でした。