森羅万象

2000 『自然と文化』 -2000話到達記念編

『自然と文化』

日本語では文化、英語ではcultureと表記される文化とは何か?例えば、次の文章を読むと、文化に対してどのようなイメージを抱いているかがよく分かる。「美しさをひたすら求める心、美しさを充分に味わえることのできる感性、美しさを夢見る想像力、これこそが真の文化をつくりだすのである」―森本哲郎『月は東に-蕪村の夢 漱石の幻』。おそらく、多くの人は文化は特別なものであり、高尚なものであると感じているに違いない。cultureの根元的な意味は、耕す、切る(伐採)などであり、自然の利用、利用の仕方、そして、それらから生じた物心両面の成果である。自然と文化は密接に関係している。
 柏餅は山口県などの西日本では、身近にあるサルトリイバラの葉で包まれているが、東日本ではカシワ(ブナ科の樹木)が使用されている。米粉で作った蒸し餅は、笹の葉で包まれることも多いが、鹿児島ではニッケイ(肉桂)、沖縄ではゲットウ(月桃)、東南アジアではバナナやヤシの葉が利用されている。また、寒冷地、豪雪地、高温多湿地、季節風が強い地域などでは、それぞれの自然や気候に適合した家が建てられてきた。これが文化であり、文化は深く自然に根ざし、発展してきた。「ブナ林文化」や「照葉樹林文化」はこのような考えに基づいて生まれた文化の概念である。米作や発酵食品、歌垣や月見の習慣などは、「照葉樹林文化」の中核であるヒマラヤ山麓で誕生し、日本列島を含む照葉樹林地帯で受けつがれてきたアジアの基層的な文化の一つである。


日本でも一時流行した、イタリアのトリノ地方などで提唱された「スロー・フード」は、単にファースト・フードへの拒否反応ではなく、食材、調理法、台所などを含む地域の食文化、そして、自分達の文化を守る活動である。流通機構や冷凍技術の進歩によって、全国各地の食品が日常的に食べられる時代になり、食卓の風景も変わってきた。また、自然を遮断する建築材を用いて、風雨や災害に強く、機能性が高い近代的な家がどの地方でも増え、地域固有の家屋は消滅してきている。この善し悪しは簡単には判断できないが、文化は変化していくことは確かである。山口市の老舗の和菓子屋でも、カシワの葉の柏餅が売られている。これはサルトリイバラが絶滅したのでは無く、過疎化や経済的理由によって、採り手が減り、大量に入手が可能なカシワの葉を卸店から購入し、柏餅を作る結果である。伝統的な食の消滅は誰の責任でもないが、それを維持するのは容易ではない。
自然界では、多様な自然に適応しながら生物が進化し、多様な生物が生じてきた。自然や生物の多様性は、そして、おそらく文化の多様性も、人が生き延び、社会を発展させるための、必要な条件であると思われる。文化や自然に対する興味や関心は高いが、その内容はカタログ的である。より深い知識を提供し、文化や文化財に理解を求める活動は山口県文化財愛護協会の大きな役割と考えています。

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マハカム川の岸辺の水上の家、カリマンタン(ボルネオ島のインドネシア領)、インドネシア

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棚田、バリ島、インドネシア。 マヨン山の麓の水田、ルソン島、フィリピン。下の2枚は、バンク-ン村、ラオス
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山岳地帯の田んぼ、シェンクワァン、ラオス

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上: トンコナン・ハウス、タナ・トラジャ、下:結婚式、パレパレ ともにセラウェシ島、インドネシア

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タンガイル、バングラディシュ

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ン族の村の子供達、シェンクワァン、ラオス



2000話 到達のご挨拶

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森羅万象はそこらの自然から海外の自然まで、分け隔てなく写真に撮り、あれこれと、書きちらしてきましたが、いつの間にか2000話に到達していました。皆様のご愛顧を心より感謝致しております。(自画像はイメ-ジ画像です)。
森羅万象は1000の話題を目標にスタ-トしたので、目標達成の1000番の時には 1000話到達記念行事:『プロジェクト1000』を実施致しました。(参加作品 『秋吉台の朝』-秋吉台の自然 『クヌギ・・・困った。写真のタイトル、思いつけないの巻』-海子の0ペ-ジ 『今日の撮りは セッカ』-播磨の町からこんにちは 『ソロの夫婦人形 』-ブ-ゲンビリアnote )。無理矢理、協力して下さった、この4人の方のHPは、現在も未だ健在で進化中で、嬉しい事です。
ブログやFBの繁栄やスマ-トフォンの普及で、1000番の頃とは、webの様相は相当変化してきました。ので、今回の2000話については、特に祝賀の行事は計画しませんでした。代わりに


 たまにはと、真面目な文章 『自然と文化』 を載せてみました。
『自然と文化』は 「山口県文化財」という雑誌(2013年8月)に頼まれて書いた記事です(森羅万象に勝手に載せました。『自然と文化』は文章のみ。画像は資料画像として追加)。


腰には刀、口はミサイル口撃 の攻撃力ありますが、意外と小心者で防御力は無くて、?の森羅万象です。が、 協調性もあるし、人をまとめる力もあるし、「意外と向いているかもしれん」と大先輩から推薦されて、文化財審議会の委員(天然記念物担当)を十数年努めて、現在は会長を努めております(単に最古参の委員の一人という理由で。 もう一人の最古参の委員は京都から会議に来られる中世の建築の専門家です)。お役人の方に、「使い勝手がよい奴」と評価され、自然保護関係の審議会の委員も10年務めました(ついでに会長もお勤めしました)。天然記念物を含む文化財は文化庁が担当で自然保護は環境省が主役。山口では空前絶後の二階級制覇をしましたが、あまり自慢にはなりません(←自慢しとる!)。天然記念物は文化庁、天然記念物を含む自然公園・国立公園の管理や保護は環境省。自然に関しては文化庁が種を播き、環境省が種をほじくる状態を間近に見てきました。が、法律や、白黒はっきりの自然保護思考では、自然を守っていくことは難しいと、二階級制覇したので、分かりました。(← 無責任な発言ですね)。という次第で手抜きの行事として 『自然と文化』  を載せてみました。



「社長! 1000の目標はとっくに達成していて、2000話になったのに、森羅万象社はまだ営業するんですか?」 「・・・・・と言われても・・・ご要望があれば未だ続くでしょう」 えっ それなら社員の給料を上げて下さい。

これからも森羅万象をよろしくお願いします - 社員一同
以上で記念の2000話を終わります。



追加の?文章

森羅万象とは取り扱い内容が違っています。が、内容が濃く、エネルギッシュで、「森羅万象と どこか接点があるなぁ」と楽しみに読んでいる、Morris.さんのブログに、2000話のご紹介とお褒めの?言葉が載っていました。「無条件幸福」(←Morris.さんの今月の標語)な気分になったので、コピ-して載せてみました。Morris.さん 嬉しかったので無断で載せました。 ありがとうございます。 10月7日

「あべさんのブログ「森羅万象」は今回記事数が2000話に達したとのこと。これを記念して「自然と文化」という記事に、自身の撮影した厳選画像30点ほどを一挙掲載されていた。いやあ素晴らしい。これは、ぜひ多くの方々に見てもらいたい。見ないと後悔するぞ(^_^;) 記事の方は、「山口県の文化財」という雑誌に寄稿されたものらしい。なかなかに含蓄ある内容で彼の姿勢がよく解る好文である。あべさんの行動範囲の広さはかなりのものだし、写真の腕もプロ級である。
あべさん、2000話おめでとうございます\(^o^)/ これからも、Morris.を始め、自然や文化に関心ある者たちを楽しませてください。
今日の歩数は4036歩。」

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by ab300211 | 2013-10-05 18:53 | 風景