1996 ブナの実、ミズナラのドングリ
今年のブナは豊作か不作か? ブナ林がある鹿野の長野山を探索してみました。長野山は高速経由で、山頂まで車で行ける 家から50分くらいで到着の お楽なブナ林です。
まだ葉は青々と茂って・・・意外と実が少ない!と思ったら、もうほとんの果実は熟れて、地面に落ちていました。
ここで問題です。
ブナの葉の大きさは南北で違っています。が、日本海側のブナの葉は大きくて薄い。太平洋側のは葉が小さくて厚い(高校の教科書では常識です)。 あまり知られていませんが、1本のブナの葉は、高い所は小さくて厚いが、下の方では大きくて薄い。 この現象を説明して下さい(10点)。 賞品は出ません-森羅万象社広報部
地面に落ちて居たブナの実。 ブナはいろんな漢字で表記されています・・・山毛欅、橅、水青・・・の中に蕎麦栗もあります。ソバの実に似ている栗。の意味か?確かに蕎麦の実に似ていますが、蕎麦の原型は稜角(そば と読みます)。 角が稜線のように△型に尖っている実→蕎麦
日本では「ブナ!」「ブナ林!」と人気のブナですが、意外とマイナ-な族です。
ブナ科 1 ブナ族
2 コナラ族 2-1 コナラ亜族
2-2 アカガシ亜族
3 マテバシイ族
4 シイ属
5 クリ族
ブナ族は北半球の ヨ-ッロッパ、中国、日本列島、北米に細々と生きているのみ。日本列島が一番の産地。一番種類が少ない(10種?)マイナ-属です。種類も多く、一番栄えているのはマテバシイ属です。
実の天辺に飛び出している棒のような物は、雌しべの先端(柱頭)のなれの果て。実を包んでいるモジャモジャはガクのなれの果て=殻斗 。 ブナ族、シイ族、クリ族は果実全体が殻斗に覆われていて パチンと弾けて実が飛び出してきます。
ブナ林と言ってもブナだけの林ということはなく、カエデやミズナラが混じって生えています。長野山でもブナの間にはミズナラが普通に生えています。
ミズナラ(水楢)は相当な巨木になり、「日本のオ-ク」として有名で、ヨ-ロッパに輸出され、スウェ-デン家具などとして、里帰りしました。 なお、コナラ族の特徴は、丸い栗=団栗 がお皿(殻斗)に座っていることです。また、天辺の棒は柱頭で、ドングリの表面には産毛が生えています。 社長そろそろ演説はお終いにしてく下さい。と、言うことで 長野山のブナもミズナラも当たり年のようでした。