1929 アオモジの花
クロモジは優しい感じの小木で、本州~九州の そこらの山に普通に生えています。葉を揉むと、芳香が漂ってくるのですぐ分かる木です。細い枝はしなやかに曲がるので、枝を丸く集めて、昔は炭俵のフタにしていました。私地方ではどこにもある木です。
に、比べ
アオモジは岡山、山口、九州~沖縄、自然に分布する場所は限られているそうです。山口では角島が近い油谷辺りと、山口市の限られた海辺で見かけます。 たぶんこの二つ地方が、天然のアオモジの産地と思われます。
優しいアオモジは、庭木として植栽され、また、切り花として利用されています。ヒトの手で移植されて、その後は種子で広がって増え、「野生です」 の顔をして、どんどん広がっているようです。
山口市の海辺の草山に行くと、3月初め頃から咲き始めていました。 写真的にちょっと濃い目に写っていますが、淡い黄色で 「あっ アオモジがある」 とすぐ分かります。 こんな事に詳しい近所のMさんに 「行ったことある? アオモジがいっぱいあるよ」 と言ったら 「そんな事は常識よ!」 。知ってる人は知っています。
賑やかに咲いているのが雄株です(アオモジの木には雌雄があります)。 葉を揉んでも、クロモジほどの芳香はしませんが、西洋人には 「citriodora 」 citri = レモンのような odora=香り です。
草山は 椿なども茂る、海辺にある、照葉樹の小山です。
これが雄花。花びらのように見えるのはガク。 雄しべが熟れて、黄色の花粉を付けると、淡い黄色に染まっていきます。
蒼い海を背景に咲くのが素晴らしく。 海辺に突き出して視界は200度。上関半島~下関の、山口県の瀬戸内海の 全部が見えます。この木の向こうの水辺線上は 大分県の国東半島が見えました。
この日は霞んでいたので、写ってはいませんが, 木の右手に 由布院久住の山も見えました。淡い黄色と海の眺めが素晴らしい アオモジが咲く海辺の草山です。