森羅万象

1658 向島小学校の寒桜

何度か紹介しましたが、防府市の向島小学校には3月上旬から中旬には満開になる早咲きの桜があります。

2010年は3月3日には満開でした。が、春の歩みが遅い2011年は お彼岸を過ぎてやっと見頃になりました。


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この桜は校舎の正面玄関前にあり、傘型に拡がった樹形は美しく、樹高約8m、・・・卒業生からの聞き取り調査によると、1920年頃に卒業記念に植えたとのことで、樹齢は約90年。エドヒガンなどは樹齢数百年の株も普通で、それに比べると若い桜です・・・直径は約86cm。名木、巨樹と呼ばれる桜と比べるとかなり小さく・・・しかし、この桜の特徴は桃の花か!と思うような色合い、華やかさです。

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さて、この桜の正体は何かな?が2011年の3月に詳しく吟味されました。もとになっているのは、中国南部などにある「ヒカンザクラ」と日本の「ヤマザクラ」が交雑してできた雑種第一代の「カンザクラ P.kanzakura」で。このカンザクラが、さらに、他の桜と交雑してできたものであり、そして、葉や花の構造から、オオカンザクラと呼ばれる品種の群に属するものと分かりました。

巨木と呼ばれる大きさではありませんが、山口県にはこれほどのオオカンザクラ系の大木はなく、また、地元の人に大切にされてきたという文化的価値もあり、山口県の「天然記念物」に指定されることになりました。
なお、「天然記念物」は文化財保護法によって定められるものであり、また、「天然記念物」という言葉は、近代化、金儲けに走った結果、すっかり自然が荒廃した状態を反省して、「自然を大事にしよう」という精神からドイツで生まれた用語であります。

この桜もすっかり有名になり、訪れる人も多く、観光の対象となりつつありますが、「天然記念物は観光資源じゃない」 「自然の遺産」である ということを強調しておきたいと思います。


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この桜、極めて健やかで、樹勢もよく、いつまでも子供達を見守ってくれることを願いながら、向島小学校の「寒桜」の報告を終わります。

  

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by ab300211 | 2011-08-20 14:42 | 植物